御仏壇・御佛具・その他
Q&A


★ローソクを供える意義。

 私たちは仏壇にご本尊をお祀りします。また、仏様になったご先祖の位牌を置いて感謝のお祈りをすることを習慣として永く継承しています。

 そして「五供(ごく)」として花、水、ご飯、香、灯明を供えますが、ローソクに火を点すことにはどんな意味があるのでしょうか?

 ローソクの灯には「燃焼する」炎としての要素と「周りを明るく照らす」光としての二つの要素があります。

 仏教では苦しみの根源である迷いや煩悩を「無明(むみょう)」という言葉で表現しています。そして、人生は苦しいことの連続だけれでも、少しでも煩悩を鎮めて苦を減らす努力をしましょう、と釈尊は説いています。

 炎には不浄を燃やし、魔を除き、周囲を清める働きがあります。一方、光は人間が煩悩の暗闇から脱却するための道を明るく照らす「仏の知恵と救い」です。しかも、自らを燃やしながら周りを浄化し辺りに光を送り続ける姿は、釈尊の「超我(ちょうが)の奉仕」を象徴しているのです。

 だから、ローソクを供えることは、炎で周りの不浄を清め、苦しみ離脱するために煩悩の闇に光を当てる(知恵を似て悟りを開く)意味があります。

 さらに、ローソクの明かりはご先祖様と現世の私たちを結ぶ架け橋ですから、この明かりに依(よ)ってご先祖様は彼岸から此岸(しがん)にやって来るし、私たちが彼岸に行く時もまた明かりに導かれるのです。

 静かな灯をじっと見ていると心がどんどん澄んでいきます。炎として燃え盛る灯が、逆に心を鎮めてくれるのです。煩悩の火がおさまれば、知恵が授かります。正しい判断が生まれ、自然に勇気が湧き出てきます。ON/OFFによって点滅させる電気ローソクに、これらの効果と深い意味を見出すことは不可能です。

 ローソクを点すことは、無の境地で仏に祈り、先祖に感謝の誠を捧げるために素直な自分の心を導き出す大事なプロローグの儀式と言えるでしょう。

 お釈迦様は80才で入滅する時「おまえたちは自分自身を灯明(とうみょう)として生きなさい。決して他に頼るな」と弟子たちに遺言を残し、灯明を知恵や真理の象徴として遺(のこ)っています。そして、仏教ではこの遺言を自灯明と言い、全ての教えの根幹(こんかん)に位置づけているのです。

 どうぞ、真心を込めて、良いローソクをお供えください。

創業明治10年鞄穴C製蝋